大阪工業大学 八幡工学実験場 研究・宿泊棟/2012

建物概要

建物名称
大阪工業大学 八幡工学実験場 研究・宿泊棟 
発注者  学校法人 常翔学園
所在地  京都府
用途  大学
構造/階数  S造・地上2階
延床面積  815㎡

設計主旨

工学系大学の実験施設を集めた工学実験場内にある施設で、各実験データをまとめるための研究室と、宿泊しながら研究を行う学生のための宿泊施設を備えた建物である。鉄骨造2階建てで、1階を研究室と研究発表にも利用できる休憩室、エントランスの吹抜けを介して、2階に男子学生と女子学生のための宿泊エリアが、それぞれ設けられている。敷地は実験場内を走る構内道路に面した中央エリアに位置しているため、研究施設として端正な外観としながら、宿泊エリアのプライバシーに配慮するように、バルコニー部分を押出成形セメント板で囲ったデザインを提案した。左右の宿泊エリアのバルコニーのボリュームを中央のガラスカーテンウォールが繋いだ空間構成をダイレクトに表しながら、学生が主体となる施設として、開放感があるイメージとなるように、カーテンウォールはスチール製とし、2階に梁を設けないことで、透明感を演出している。敷地の裏側には実験用水槽があったが、施設を隠しながら、その背後にある緑あふれる環境を建物内にも取り込みたいと考え、左右に広がる正面階段の上部をガラスとした象徴的なエントランス空間とした。研究実験という学術的な側面を支えるとともに、学生時代の思い出として、この施設で過ごした時間を大切にしてもらえるよう、利便性だけでなく、快適な空間を提供したいと考えた。