土師町自治会館/2014

建物概要

建物名称  土師町自治会館
発注者  土師町自治会
所在地  大阪府
用途  自治会館
構造/階数  S造・地上3階
延床面積  1,688㎡

設計主旨

敷地は堺市中区土師町という周辺に古墳群が広がる歴史的な色合いが濃い地域に位置し、秋には近くの百舌鳥八幡宮にて勇壮華麗なふとん太鼓奉納行事が行われる。計画は、それまであった公民館、老人憩いの家の二つの機能を集約した自治会館とふとん太鼓を収容する太鼓蔵からなり、建替えについては自治会主催による設計コンペが行われ、関係者による投票の結果、我々の案が圧倒的多数の支持を受けて選ばれることになった。 計画に際しては、敷地が高低差ある二つの道路に面しており、以前の建物が道路から下がったレベルに位置し、高齢者から利用しにくい状況であったため、敷地全体のバリアフリー化と、いにしえから連綿と引継がれてきた地域の遺伝子を後世に伝えるため、世代間の交流を促し、絆を深めるための中核施設として町のシンボルとなることが求められた。我々の提案は高低差ある二つの道路のうち、メインの府道からアプローチするレベルに、エントランスホールと高齢者が利用する施設。側道からアプローチするレベルにサブエントランス、駐車場、倉庫、ダンス、卓球等の各種文化活動に利用される多目的ホールを設け、 最上階の大ホールからロビーに面して、大きな軒下空間となるルーフバルコニーを設け、そこから連続して広場を囲むようバルコニーを設けている。 そうすることで、お祭り等、催しの際に利用される広場に面して高齢者が安全に観覧出来るスペースを設けることで、世代を超えた繋がりが生まれることを意図した。この地域特有の農家に設けられたカドと呼ばれる多目的スペースにならい、各フロアの中心に多目的ロビーを設置することで、各スペースが拡張し、フレキシブルな利用が可能となり、世代間の交流を促すことを意図した。