研修旅行2022(1)

服部建築事務所では、例年、研修と親睦を兼ねた研修旅行を行っています。この数年はコロナウィルスの流行に伴い、延期を余儀なくされていましたが、3年ぶりに小田原から箱根、富士山を巡る研修旅行へ行くことが出来ました。 2泊3日の旅行のなかではゴルフや観光といった行程と合わせて、その地の有名建築を訪れるようしており、今回の旅行では小田原城、ポーラ美術館を巡った後、村野藤吾が設計した箱根プリンスホテルに宿泊し、翌日は静岡県富士山世界遺産センターを見学しました。 関西にも有名建築はたくさんありますが、地方の建物はその立地から伸びやかで、自然と一体となった、その場所だからこそ成立する魅力があり、心が洗われる思いがします。

今回の旅行は天候に恵まれ、まず、最初に訪れた小田原城では青空に白い城壁が映え、
美しい天守閣の姿を見ることが出来ました。残念ながら、天守閣は後世に
鉄筋コンクリート造で、再現されたものだそうですが、その姿はかつての
北条家の威容を示す、非常に優美なものでした。日本建築では屋根や石積みなどに、
西洋建築には見られない「反り」と呼ばれる微妙な曲線があります。
お城は上にいくほど建物が小さくなるため、見上げた時に遠近感が強調され、
「反り」と合わさって、姿が良く見えるよう造られています。また、機能上、必要とされる
柱や門等に見られる金物や鋲の形状や配置もデザインの要素として扱われており、
日本人の「美」に対する感性が日常と繋がっていたことを、あらためて感じることが出来ました。
今回はここまでとして、次回は日本建築学会賞を受賞したポーラ美術館について、書いてみたいと思います。